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東京大学へ行けば

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化学(有機化学)

時間:理科二科目で150分。従って、単純計算では化学としては75分です。大問は3つあり、そのうち、主に大問1が有機化学からの問題となっていますので、これを25分程度で解く計算になりますが、大問1だけでもかなりボリュームがあるので、理科全体を見ながら解けそうな問題に時間を十分かけられるよう、適切に時間配分しましょう。

 

得点配分:理科二科目で120点。従って、化学全体で配点は60点の計算となります。大問は3つあり、そのうち、主に大問1が有機化学からの問題となっていますので、これは配点が20点の計算となりますが、他の大問にも理論化学と組み合わせる形で有機化学が含まれることが有ります。

 

設問形式

・3つの大問から構成されています。大問は、更に2つ程度の中問に分かれ、それらがまたいくつかの小問から成っています。各大問とも問題文が長く、また小問の問題数も多いので、時間を十分に意識しながら解いていく必要があります。

・各小問は、記述式、論述式、空所補充、記号選択式など、様々な形式で出題されます。

 

傾向

・毎年大問1が、主に有機化学の問題になっていますが、有機化学の要素は理論化学と組み合わせて他の大問にも含まれることも有ります。

・知識よりは、考え方、応用力が問われる問題が出題されています。

(全体的に、知識よりは、考え方を問う問題が多いようです。例えば、2022年度の大問1ではマルコフニコフ則やザイツェフ則に関する出題がありますが、それらの法則の説明自体は問題文中に書かれています。従って、問題のテーマ自体は幅広い反応や技術など初見のものであったとしても、問題の流れに沿って、理論に従い丁寧に追っていけば解答につながっていくので、基礎知識をフル活用し、慌てずに取り組みましょう。)

・構造決定の問題はほぼ毎年出題されています。

 

方法

・有機化合物の構造決定は頻出。

(有機化合物の構造決定に関する問題が、ほぼ毎年、出題されています。一連の実験から、試薬との特徴的な反応や、オルト・メタ・パラの位置による配向性、質量及び分子量、不飽和度、光学異性体などを考慮して生成物の構造式を推定していくため、有機化合物の基本的な反応の流れについてよく理解しておきましょう。基本的なアミノ酸や糖などの化合物、主な誘導体とその生成反応などを系統的にマッピングして覚え、また、構造決定に関する過去問などをこなし構造推定の流れに慣れておく必要があります。)

 

・反応の背景を理解しましょう。

(個々の反応を単に暗記するのではなく、その反応の背景にある理論、なぜその反応が起こるか、複数の反応が考えられる場合はどの反応がなぜ優先的に起こるのか、どの反応が速いかなどを理解しておく必要があります。オルト・メタ・パラの位置による配向性の理論的な背景や、マルコフニコフ則などについて確認しておきましょう。)

 

・名前の付け方、構造式の書き方を覚えよう。

(構造から名称が、名称から構造が推定できるようにしておきましょう。更に、それらからその化合物の性質まで想像できるようになっておくことが好ましいです。有機化合物の名称は、基本的にはIUPACの命名法によって決められています。命名の関する、炭化水素の鎖状・環状骨格や特性基の扱い、数を表すギリシャ語や炭素の位置番号、アルコールの命名ルールなどと、その特性基、結合している炭素鎖やヒドロキシ基の数などで現れてくる一般的な性質などを一緒に覚えておくと有利です。構造式の書き方についても確認しておきましょう。)

 

・有機高分子化合物の学習も忘れずに。

(有機高分子化合物自体については、それほど出題頻度は高くないようですが、教科書レベルの内容については理解しておきましょう。個々の物質に関する知識の暗記というよりは、モノマーから付加、縮合によってポリマーを重合する基本的な流れなどをきちんと理解しておくことが大切です。)

 

 

他言無用の最終兵器

・自分で反応系統図を作ってみよう。

(教科書に出てくる有機化合物、反応、法則などを整理し、系統的にマッピングしてその全容を俯瞰的に見られるようにしておきましょう。自分で分かりやすくイラストなども入れた反応マップを作成し、目につくところに貼っておくのも良いかも知れません。有機化合物は星の数ほど有るので化合物としては作成するマップに載っていない少し複雑なものが出題される場合も有りますが、基本の流れを理解しておけば推測することができます。よく見ると電車の路線図の様で、特に、鉄道好きの人にはお勧めです(?) (特にどの問題という訳ではなく、有機化学などの全問題に関して重要。))