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東京大学へ行けば

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物理(熱力学他)

時間:理科二科目で150分。従って、単純計算では物理としては75分です。大問は3つあり、そのうち、主に大問3が熱力学からの問題となっていますので、これを25分程度で解く計算になりますが、大問3だけでもかなりボリュームがあるので、理科全体を見ながら解けそうな問題に時間を十分かけられるよう、適切に時間配分しましょう。

 

得点配分:理科二科目で120点。従って、物理全体で配点は60点の計算となります。大問は3つあり、そのうち、主に大問2が電磁気学からの問題となっていますので、これは配点が20点の計算となります。(共通テスト:110点、二次試験:440点)

 

設問形式

・大問は、更に2つ~3つ程度の中問に分かれ、それらがまたいくつかの小問から成っています。従って、問題の分量としてはかなり多いです。

・各小問は、記述式、論述式、空所補充、記号選択式など、様々な形式で出題されています。

 

傾向

・毎年大問3が、主に熱力学や波動、光・原子などからの出題になっています。

・出題のテーマは広いですが、知識よりは、考え方が問われる問題が多いです。

(問題のテーマとして取り上げられている現象自体は先端技術など初見のものであったとしても、問われていること自体は基本的な内容ですので、設問の流れに従って、落ち着いて解き進めれば解答につながっていくので、慌てずに取り組みましょう。例えば、2022年度は熱力学の分子運動論に関する問題が出題されていますが、熱力学の基本公式と内部エネルギーなどの考え方、運動方程式などの基本が分かっていれば、後は、誘導に従って丁寧に解いていけば解答できると思います。2021年度は光ピンセットの話題が出ています。しかし、光ピンセットという現象自体は知らなくても、運動量、光の屈折など、力学や幾何光学の基本的な知識が有れば、設問の誘導に従って解き進めることができます。)

・大問は熱力学など単独の分野からの出題ではなく、運動方程式、運動量やエネルギーの保存などの力学の問題と組み合わされているものが殆どです。

 

方法

・熱力学の基本的な現象・法則や公式は十分に理解しておきましょう。

(教科書に出てくる基礎的な事項はよく理解しておきましょう。定積変化、定圧変化、等温変化、断熱変化の、それぞれにおける、圧力、体積、温度の関係や、内部エネルギー、熱量、仕事の関係や、定圧比熱・定積比熱に関する公式などは、よく理解して使えるようにしておきましょう。また、各変化のP-V図、P-T図上のグラフや、各図からの熱量や仕事の見方もよく学習しておきましょう。また、分子運動論的な圧力、ボルツマン定数、内部エネルギーの算出も確認しておきましょう。)

 

・プラスマイナスに注意。

(熱の吸収と放出、外からされる仕事と外にする仕事、内部エネルギーの増加と減少など、よく確認して式のプラスマイナスを逆にしないよう、十分に注意しましょう。そのためにも、その現象の物理的なイメージをしっかり持ちながら問題を解き進め、例えば、外に仕事をし、熱も放出したのに、内部エネルギーも増加したなどという、エネルギーがどこからか勝手に湧き出すような謎のガスを作らないようにしましょう。)

 

・波動も忘れずに。

(ここ3年程度は本格的な波動の問題は出てきていませんが、過去には波に関する出題も多数ありますので、しっかり学習しておきましょう。特に、波の干渉などの出題は多いようです。波動の基本的な性質(波の反射、干渉、ホイヘンスの原理など)や基本公式(波長・速度・振動数、反射角・屈折角、干渉条件など)の理解、波動の方程式、ドップラー効果などの現象に関する計算など、しっかり確認しておきましょう。)

 

・原子も基本事項は知っておく。

(純粋な原子分野からの出題はあまり多くないようですが、出題された場合も、基本事項に関する知識と、力学などの基礎が有れば或る程度は対応可能と思われますので、受験直前ではなく早目の段階で、一通りの学習をしておきましょう。)

 

 

他言無用の最終兵器

・P-V図を使いこなそう。

(P-V図では、圧力、体積、温度の関係をグラフで表し、内部エネルギー、熱、仕事の量をそれらのグラフや座標軸で囲まれる面積で視覚的に表すことができます。与えられたP-V図から数値を読み取ることを求める問題も有りますが、そうでなくても、出題された現象を自分でP-V図に落とし込もことで、理解し易くなり、またプラスマイナスなどのミスを減らすことができます。例えば、2020年度の大問3。)