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東京大学へ行けば

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数_数列・整数・場合の数・確率

時間:大問6問で150分。一問当たり25分ですが、全問完答を狙うのではなく、解けそうな問題に時間をかけて丁寧に取り組みましょう。

 

得点配分:大問6問で120点。おそらく一問20点ずつ。(共通テスト:110点、二次試験:440点)

 

設問形式

・すべて記述式。

・各大問は2~4個の小問から構成されていて、基本的に前の小問は後の問いに誘導するためのヒントになっています。

・数列など一つの単元からの出題ではなく、数列や整数と、場合の数、或いは、確率などが組み合わされた形での出題が多いです。

 

傾向

・数列、整数の問題は、ほぼ毎年1問以上は出題されています。

・方程式や微分積分などの他の分野の問題に比べて、この分野の出題は難題が多いです。

・文系と共通、或いは、部分的に共通の問題もしばしば出ていますが、いずれも高難度です。

 

方法

・地道に数値を代入し、試行錯誤しながらアイデアを絞り出す。

(数列・整数に関する問題では、厳つい式が書かれた強面の取っ付きにくそうな問題が多く出題されています。そして、それらに組み合わせて場合の数・確率を求める問いが出される形も多く、解答への道筋が見つけにくいです。式を眺めるだけでなく、ともかく試しに、整数の問題なら小さなNの場合について実際の数字を代入し、数列なら最初の何項かを書き出して地道に計算してみましょう。そして、計算用紙にアイデアを思いつくまま色々書いてみて、規則性を探しましょう。例えば、2020年度の大問4では、2の累乗の組の中からいくつかを選び出した積の、総和を項とする数列によって定義される何とも複雑な関数についての出題があり、式を眺めていても進みません。この問題では、実際に式中のnやkにいくつかの数字を順に入れて計算をしてみると、与えられた式を係数とする多項式に気が付き、解答の方針を立てることができます。)

 

・解き進めるには種々の基本ワザも必要。

(数列の和などの求め方(公式の暗記だけではなく、応用に耐えられるよう導出方法もしっかり理解しておく)、組み合わせの計算(場合の数の数え方や、二項定理の応用なども押さえておく)、ユークリッドの互除法(過去にも時々出ています)、背理法による証明(無理数であることの証明の応用など)、各種の式の変形(部分分数等の分数式の利用など)、...。いずれも、教科書に書いてある基本事項ですので、漏れの無いよう確認し、よく理解しておきましょう。)

 

・表や樹形図などをうまく使って整理し、場合の数を数えましょう。

(もちろん数列や場合の数の基本パターンは良く確認しておき、順列や組み合わせの計算が確実にできるようにしておく必要は有りますが、それらをシンプルに適用するだけで解ける問題は基本的にありませんので、テクニックを覚えるだけではなく、意味を理解して初見の問題へも応用できるようにしておきましょう。特に、場合の数の考え方の理解は、確率を導き出す上での基本となります。2022年度の大問6は、文系でも類似の問題が出題されていますが、nが少し大きいだけでかなり厄介な問題となっています。最初の何回かの試行について計算し、条件に合うパターンを表や樹形図などを使って適切に整理して場合の数を数えていくことが必要です。)

 

・ヒントは問題中に有る。

(基本的に前の小問は後の問いに誘導するためのヒントになっていますので、うまく誘導に乗って、ストーリーを考えながら解き進めていきましょう。ただし、最初の小問から難解でアイデアが出てこない場合もありますので、その場合は、大問を最後まで眺めてみると、出題の意図が見え、それにつながる流れを考えることで小問の解き方の方向性が見つかることも有ります。)

 

 

他言無用の最終兵器

・数学的帰納法に慣れる。

(規則性が見つかったら次は解答作成ですが、そのためには、その規則性を論理的に証明することが必要です。その際に使用したいのが数学的帰納法です。例えば、2022年度の大問2など、数学的帰納法をうまく使いこなせるかどうかが一つのポイントになります。数学的帰納法を使いこなせるように、慣れておきましょう。なお、本問の(2)は、(1)から答えを予想し、(3)はユークリッドの互除法も活用して解いていきます。)