国立大学へ行って | 勉強方法ドットコム|SMKの「方法」

国立大学へ行って

国立大学へ行って

理科(化学)

時間:1科目選択の場合は90分です。2教科選択の場合は合わせて3時間ですので、取れそうな科目の解けそうな問題に時間をかけて丁寧に取り組むよう、時間の配分に注意しましょう。

 

得点配分

物理、化学、生物、地学の各科目100点満点で、学部ごとに以下の様な比率に換算。

[総合人間(理)] 物化生地から2科目200点。(共通:100点、二次:700点)

[教育(理)]   物化生地から1科目100点。(共通:250点、二次:650点)

[理]       物化生地から2科目300点。(共通:225点、二次:975点)

[医(医学)]   物化生から2科目300点。(共通:250点、二次:1000点)

[医(健康)]   物化生から2科目200点。(共通:250点、二次:750点)

[薬]       物化生から2科目200点。(共通:250点、二次:700点)

[工]       物化250点。(共通:200点、二次:800点)

[農]       物化生地から2科目200点。(共通:350点、二次:700点)

 

設問形式

・大問数は4問で、大問が更に独立した2つの中問に分かれている形が多いです。各大問または中問は、多数の問題文穴埋め式の記述か選択式の小問、および、いくつかの記述、選択、描図などの小問に分かれています。

・解答形式は全体的に記述問題(計算、用語、反応式、構造式など)や選択式の問題が多く、年度によって描図や論述問題も出題されることがあります。

 

傾向

・大問Ⅰ、大問Ⅱが理論化学や無機化学、大問Ⅲ、大問Ⅳが有機化学からの出題になっていることが多いようです。

・問題は、基本的事項の理解度をみるために、分野的な偏りが無いよう広いテーマから出題されています。知識だけでなく、理解が問われる問題が多いです。

・問題数は多く、問題文のボリュームも大きいので、時間は十分ではありません。

 

 

方法

・物質のイメージを持つ。

(日頃から興味を持って物質や反応を見、考えることが重要でしょう。図録や動画なども大いに活用し、物質の色や性状、反応による変化を見て楽しみましょう。特に無機化合物に関して、よく出てくる物質については名前を見ればそのイメージや性質が浮かんでくるくらいになっていれば良いですね。)

 

・基本の計算は繰り返し練習。

(物質量や濃度、平衡、状態方程式、反応熱など、教科書に出ている基本の計算は繰り返し練習しておきましょう。特に理論化学からは、化学平衡、気体の状態方程式、浸透圧、結晶構造、電気化学、溶解度積など、広い範囲の計算問題が出題されていますので、教科書に書かれている内容は抜けが無いようしっかり確認し、それらの意味をよく理解しておくことが必要です。そして、解説を見て分かったらOKではなく、実際に手を動かして色々な問題を解き、数値計算にも慣れておくようにしましょう。)

 

・化学平衡、構造決定は頻出。

(化学平衡に関する問題や、有機化合物の構造決定に関する問題は、ほぼ毎年出題されています。化学平衡に関しては、多段階の反応についての平衡定数の計算などもしっかり練習しておくとともに、平衡の移動などについてもしっかり理解しておきましょう。化学平衡の法則やルシャトリエの原理などは暗記するだけではなく、分子やイオンの動きをイメージしましょう。基本的な用語の理解など含め、抜けが無いよう十分に基礎固めをした上で、色々な過去問などに当たって応用力をつけましょう。

有機化合物の構造決定では、一連の実験から、質量及び分子量、不飽和度、ニンヒドリン反応など試薬との特徴的な反応や配向性、光学異性体などを考慮して生成物の構造式を推定していくので、有機化合物の基本的な反応の流れについてよく理解しておく必要が有ります。反応は系統的に覚え、また、構造決定に関する過去問などをこなし構造推定の流れに慣れておきましょう。)

 

 

他言無用の最終兵器

・構造式に慣れる。

(有機化学では構造式を書かせる問題が毎年出題されています。かなり複雑な構造式を書かせる問題も多いので、普段から、構造式を見慣れ、書き慣れておくことが大切です。なお、フィッシャー投影図など、用語としてはあまり見慣れないような表記法が使われた出題も有りますが、それ自体を知らなくても問題をちゃんと読めば解けるものですので落ち着いて解答していきましょう。2022年度大問Ⅳなど。)